臨床

臨床

重篤な状態の患者さんに対する集中治療:外傷、重症感染症(敗血症)、熱傷、急性中毒、心停止後症候群、環境障害、多臓器不全などを中心に、命にかかわるあらゆる重症急性病態に対する初期診療から集中治療を一貫して行います。

診療内容

ドクターヘリによる病院前医療からHybrid ERを用いた迅速な診断と治療、集中治療までを高いレベルで実践しています。

Acute Care Surgery

救急医のうち外科で修練した医師は、

に対して、適宜専門科と連携しながら、リーダーとして手術、集中治療管理を行っています。

内科系重症病態の治療

外科系だけではなく、内科系が得意な医師も多く在籍し、下記のような治療を高いレベルで行っています。

熱傷診療

東北大学病院高度救命救急センターでは、宮城県内から重症/広範囲熱傷を受け入れています。熱傷専門医およびacute care surgeonを中心に、形成外科および皮膚科と連携して治療を行っています。

超急性期から焼痂組織(熱傷で壊死した組織)に対する外科的および酵素的デブリドマンを組み合わせ、1週間以内に全ての焼痂組織を切除します。熱傷面積や重症度に応じて、デブリドマンと同時に、あるいは待機的に皮膚の再建(植皮術)を行います。デブリドマンにはパイナップル茎搾汁由来蛋白質分解酵素製剤、再建には自家培養表皮や自家細胞懸濁液、MEEK法など、常に最新の治療を取り入れています。

近年、高齢者の受傷が多いですが、超急性期からの積極的な焼痂組織切除により、合併症としての敗血症や臓器障害を制御することで、転帰改善を目指して取り組んでいます。

外傷の機能的再建

重症の外傷患者さんが元気にもとの生活や仕事に復帰するためには、救命に加えて、損傷を受けた身体各部位の機能を回復させる”機能的再建”が不可欠です。重症/多発外傷患者の大腿骨、骨盤や脊椎などの体幹部の損傷に対しては、受傷早期に固定術を行うことで、迅速なリハビリテーションの開始や人工呼吸器からの離脱を可能とし、肺合併症などの予防にもつながります。これにより、早期のリハビリテーション転院から社会復帰を実現しています。

リンク

診療実績

令和6年度の臨床データ
(2024/04/01~2025/03/31)

診療状況

総受診数
5803 (前年度5765)
総入院数
793 (前年度718)
救急車
2920 (前年度2632)
ヘリ搬入
33 (前年度34)

入院症例診断カテゴリ分類

内因性のもの

脳血管障害
89
敗血症
55
心肺停止
43
脳神経疾患
36
腹部救急疾患
24
代謝・内分泌疾患
30
呼吸不全
26
アナフィラキシー
13
腎・泌尿器
10
心・血管疾患
20
精神疾患
9
感染
24
その他
26
合計
405

外因性のもの

外傷
257
中毒
60
熱傷
15
環境障害
16
窒息
15
骨格(整形)
8
筋・軟部組織
2
その他
15
合計
388